腸病毒

腸病毒

腸病毒はエンテロウィルス(Enterovirus)という腸管で増殖するウィルスの総称です。従って、多くの種類があります(今の時点で確認されているのは64種類以上だそう)。風邪ウィルスの次に多くみられる感染症で、ポリオ・手足口病・ヘルパンギーナなどが代表的に診断されます。

ポリオに関しては現在予防接種によって予防でき、予防接種の普及によって根絶できる病気ではないかと考えられています。しかし、日本では夏から秋にかけて流行する手足口病やヘルパンギーナは感染力が強く、感染によって免疫が形成されますが、ワクチンなどによる有効な予防法は未だありません。(去年台湾で腸病毒ウィルスのワクチンの開発が軌道に乗り始めたらしい。。。)

主に感染経路は感染した人の気道の分泌物(例えば、唾液、痰、鼻の粘液)が付着したものが口から入って、ウイルスを自分の口やのどの粘膜に運ぶことによって感染します。また、このウィルスは便の中にも存在するので感染した子供のおむつ交換の後、手をよく洗わずにいると食事の時に自分や他の子供の口にウィルスを運んでしまい感染することもあります。なので、幼稚園や保育所などでは一人が感染すると他の子供達に容易に感染する病気として知られています。

エンテロウイルスが体の中に入ってから(感染してから)発病するまでの期間(潜伏期)は約3-7日間。エンテロウイルスが体の中に入って(感染後)約3日後から発病して10日後までの間が、感染力があるといわれており、他人へうつす可能性があります。症状が出ないうちから感染力があると言えます。


手足口病の症状

発熱、咽頭痛、口の中の痛み、手掌や足底、膝裏、足の付け根(臀部)などに痛みを伴う水疱性丘疹が生じ、口内にも水疱が出現する。1週間から10日間ほどで症状は軽快すします。


ヘルパンギーナの症状

発熱、咽頭の炎症、咽頭痛。特に口の中の天井の奥の方の「軟口蓋」と言われる部分を中心に、周囲に赤みを伴った、小さな直径が1mmから2mmほどの水疱が何か所(2-20カ所。平均的には4-5カ所。)かできて、やがて潰瘍化します。潰瘍の部分は白色から灰色がかって見え、その部分は飲食の時に痛むので十分に経口摂取ができないこともあるので、脱水状態に注意。

台湾では、この2つの症状は厳密には分けられずに腸病毒として診断されるようです。これらの症状には治療法がないため、脱水などに注意し症状の軽快を待ちます。周囲への感染拡大を防ぐため、外出を避け、またご家族への感染を防ぐために、感染者本人にマスクをつけてもらい、手洗い(石鹸を用い衛生学的に行う、20秒以上)を励行します。口をつけるもの(スプーンなど)器具は一緒の物を使わないなどへの配慮が必要です。トイレの後の手を拭くタオルなども別にした方がいいと思います。

もし、器具などの消毒をしたい場合、効果のある消毒はミルトン、ハイター等次亜塩素酸ナトリウムを含むものです。(ノロウィルスにも効果があります。)

参考↓広島市のHP

http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1265935032756/index.html


注意点

この腸病毒で注意しなくてはいけない点。

ほとんど場合は軽快しますが、まれにエンテロウィルス71による感染などでは髄膜炎脳炎を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

台中の衛生所からのお知らせにもあったんですが、もし頻回な嘔吐、嘔吐後もぐったりしている、持続する頭痛、意識がはっきりしないなどの症状があれば、すぐに受診して下さい。

腸病毒にかからないよう、予防が大切です。外から帰ったら手洗いをしっかり行いましょう

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